0の0乗についてグダグダと思ったこと

Radium Software Development - 0^0=1 を読んだ。0^0=1 とすると便利なことが多いらしい。
例として二項定理が挙げられていて、x^y の形があったときに x は実数や複素数の範囲で OK だけど y は整数だけしか考えないという定理が多いからじゃないか、と思った。
y が整数しかないなら、x=0,\;y=\pm1 から y=0 を推測するよりは、y=0,\;x\neq0 で考えて x=0 で連続になるように決めるのが自然な気がする。
両方実数・複素数の場合は、リンクされている sci.math FAQ: What is 0^0?Zero to the Zero Power -- Math Fun Factsを読むと、

  • \lim_{t\rightarrow+0}t^{t}=1 のように、x,\;y が 0 の近くで解析的な場合とかも 1 になる。
  • 例えば \lim_{t\rightarrow+0}x^y=e^{-1},\;x=e^{-1/t},\;y=t のように、x が e^{-1/y} と同程度かそれより速く 0 に近づく場合 1 にならない。

状況は少ないかもしれないけどホイホイ 1 扱いするのは間違いそうで怖い。人類が現在よく使っている関数がそうだというだけな気もするし。
空集合空集合にマップとかはよくわからない。
ということで、0^0=1 と定義すると便利な文脈は、底が実数・複素数で指数が整数に決まっている場合と、解析的な関数だけを扱っている場合かな、と思いました。
そのほか。

  • x=\frac{1}{N!}\;y=\frac{1}{N} だと \lim_{N\rightarrow\infty}x^y=0 で、y=-\frac{1}{N} だと \lim_{N\rightarrow\infty}x^y=\infty
  • x=at^\alpha,\;y=bt^\beta だと \lim_{t\rightarrow+0}x^y=1 かな。
  • xy より極端に速く 0 になる場合というのは、y を置いておいて x=0 を代入する状況に近いので、y\rightarrow+0 だと 0 、y\rightarrow-0 だと∞になる。
  • yx より極端に速く 0 になる場合というのは、x を置いておいて y=0 を代入する状況に近いので、1 になる。
  • 負の値に収束することは無さそうな感じ。
  • 追記: 0^0=1 とすると気持ち悪くなる例。x(t)=\left\{\begin{eqnarray}e^{-1/t^2}& t\ne0\\0&t=0\end{eqnarray}\right.y(t)=t^2 は連続なのに、x(t)^{y(t)}t=0 で不連続になる。