ジャネーの法則改良案

あなたから見ると陳腐なネタなかもしれませんが、思いついたので書いてみます。
子供の頃は一日が長く感じられるけど、大人になると一日が短く感じられるという現象については、「時間の心理的な長さは年齢に反比例する」という怪しげな法則(wikipedia:ジャネーの法則)がありますが、この法則には、心理的には全人生のほぼ全ての時間は生まれた直後で占められてしまう*1、という問題点があります。
つまり、年齢 t の時、実時間 dt心理的には \frac{k}{t}dt に感じられるとすると、年齢 t_1 から t_2 までの心理的時間\int_{t_1}^{t_2}\frac{k}{t}dt=k\log\frac{t_1}{t_2} となるため、生まれて 1 秒から 100 歳までの心理的時間は有限なのに対し、生まれてから 1 秒までの心理的時間は発散することになります。
まあ、こんな法則に定量的な正しさなど期待する方がおかしいのですが、改良案を考えてみました。
ジャネーの法則をこう変えてみます。「時間の心理的な長さは、今まで生きてきた心理的な時間に反比例する」。つまり、年齢 t の時に実時間 dt心理的f(t)dt に感じられるとし、以下のような式が成り立つとします。
f(t)=\frac{k}{\int_0^tf(t)dt}
この式を変形して微分すると微分方程式が現れます。
\int_0^t f(t)dt=\frac{k}{f(t)}
f(t)=-k f(t)^{-2}\frac{df}{dt}
\frac{df}{dt}=-\frac{1}{k}f(t)^3
この微分方程式を解きますと、
f(t)^{-3}\frac{df}{dt}=-\frac{1}{k}
-\frac{1}{2}f(t)^{-2}=-\frac{t}{k}-C
f(t)=\frac{1}{sqrt{2\left(\frac{t}{k}+C\right)}}
という解が得られます。元の式
f(t)=\frac{k}{\int_0^tf(t)dt}
に代入しなおすと、積分定数C=0 であることが分かり、
f(t)=\sqrt{\frac{k}{2 t}}
となります。
結果として、「時間の心理的な長さは、今まで生きてきた実時間の平方根に反比例する」ことになります。別に面白くも何ともないですね。そうそう、生まれてから年齢 t までの心理的時間\sqrt{2kt} でちゃんと有限になります。

欄外

  • もしもジャネーの法則が正しければ、全人類は心理的な時間において特異点(シンギュラリティ)以後の存在なのだと嘯ける。
  • 「年齢に反比例」が数え年だったらどうしよう。

*1:というと語弊があるかな