もしも時間が 2次元だったら時間旅行が可能なんじゃないかなと思った。
そうだった時に時間と呼べるのかどうかはわからない。素粒子の運動からして滅茶苦茶になりそうというか、運動と呼ぶべきなのかどうかもよくわからない。
その辺を無視してもこんな妄想しかできなかった。
- 博士
- おおーーーー
- 妻
- どうしたんですか。興奮して。
- 博士
- ついに結論が出たのじゃ。時間は実は 2次元だったのじゃ。
- 妻
- おやまあ。
- 博士
- つまりじゃ、宇宙は時間 2次元、空間 13次元の合計 15次元時空から出来ているということじゃ。
- 妻
- それは大変だこと。
- 博士
- しかし、我々が見ている宇宙は時間が 1次元しか無いように見える。これはじゃな、2次元時間の上に曲線状の深いポテンシャルの谷があっての、我々の世界にある素粒子、光も電子もクォークも全てそこに引っかかって出られなくなっているということなのじゃ。
- 妻
- あらあら。
- 博士
- ワシはどうにかここから出られないかと考えたのじゃ。数々の思索と実験を繰り返し、ついに出来たのがこのケミカル T じゃ。
- 妻
- 化学物質かしら。怖いわ。
- 博士
- たかが化学物質ごときに物理法則の壁が破れるわけがないと思うのは物理帝国主義者の浅はかさじゃ。このケミカル T によってワシは時間が 2次元であることを確かめたのじゃ。
- 妻
- そうなの。すごいわね。
- 博士
- こっちにあるのがケミカル T エンジンを搭載した T マシーンじゃ。この T マシーンを時間ポテンシャルの井戸から抜け出させ、2次元時間を移動して我々の世界の別の時刻に出現させる、という実験に成功したのじゃ。
- 妻
- へぇ。(T マシーンをぺたぺた触りながら)
- 博士
- これからワシはこの T マシーンに乗って自らの目で 2次元時間の世界を見に行くことにする。事故などでこの世界に戻れなくなるやも知れんが、科学の進歩に危険はつきものなのじゃ。
- 妻
- 私も行けるのかしら
- 博士
- 残念じゃがこれは一人乗りでな。
- 妻
- まあ残念。じゃ、お土産楽しみに待ってるわ。いってらっしゃい。
- 博士
- おう、行ってくるぞ。
こうして博士は 2次元時間の世界に旅に出た。そこで 2次元時間生物に追いかけられたり、2次元時間知的生命体に井の中の蛙と馬鹿にされたりするのだが、これらを記述するには筆者の描写力と想像力が足りないため、ここで筆を置くことにする。
元ネタ:ブレーン