3 すくみサイコロ

数学でみた生命と進化―生き残りゲームの勝者たち (ブルーバックス (B-1111)) からのネタ。
サイコロを三つ用意して、各面に次のような組合せで 1 から 18 の数字を書く。

  • A:1 2 11 12 13 18
  • B:3 4 5 14 15 16
  • C:6 7 8 9 10 17

各サイコロの目の総和は等しくなっている。だから期待値は等しい。
この中から 2 つサイコロを選んで振り、出た目が大きい方が勝ち、というゲームを考える。すると、A と B を選んだ時 B が勝つ確率は 7/12、B と C を選んだ時 C が勝つ確率は 7/12、C と A を選んだ時 A が勝つ確率は 7/12 と3すくみになる。
勝率の比が最も偏るのは 5:7 になる場合で、組合せは全部で 8 種類ある。

A B C
1 2 9 14 15 16 3 4 5 10 17 18 6 7 8 11 12 13
1 2 11 12 13 18 3 4 5 14 15 16 6 7 8 9 10 17
1 6 7 8 17 18 2 9 10 11 12 13 3 4 5 14 15 16
1 6 11 12 13 14 2 3 4 15 16 17 5 7 8 9 10 18
1 7 10 12 13 14 2 3 4 15 16 17 5 6 8 9 11 18
1 8 9 12 13 14 2 3 4 15 16 17 5 6 7 10 11 18
1 8 10 11 13 14 2 3 4 15 16 17 5 6 7 9 12 18
1 9 10 11 12 14 2 3 4 15 16 17 5 6 7 8 13 18

もっと簡単な場合だと

面が 3つの「サイコロ」の場合、1 から 9 までの数字を、総和が等しくなるように分けるのは 2 種類しかない。

A B C
1 6 8 2 4 9 3 5 7
1 5 9 2 6 7 3 4 8

出る目の組合せの数は奇数なので、勝率は偏ることになる。勝率の比は両方とも 4:5。
面が 5つの「サイコロ」の場合、

A B C
1 3 11 12 13 2 4 5 14 15 6 7 8 9 10
1 2 11 12 14 3 4 5 13 15 6 7 8 9 10

という組合せにすると、勝率の比は 2:3 になる。